気づかないように目を背けていた
あの人を想う気持ちは、


周りの人がいちばんよく知っていた。


好きってこんな気持ち。








15.オレを見てよ 後









ひどく驚く私を気遣うように、イルカさんは優しく「返事は今すぐでなくて構いません。」と言ってくれた。


「もちろん、冗談でからかって言ってるわけではないですからね?」

「は、はい///!!!」


もはや私は照れてしまって、うつむいたままイルカさんの顔を見ることが出来なかった。


その後、家まで送るというイルカさんをどうしてもと断って。
失礼だとはわかっていてもは1人、急ぎ足でその場から逃げるように去っていった。



ハァー。

イルカは、残すは後ひと山だと。

気合をいれて一度吐いた息を再び吸って、その名を呼んだ。






「カカシさん。いるんでしょう?」






その問いかけに、わずかに音を立ててカカシが木の間からおりてイルカの前に姿を現した。


「・・・・気づいてたんですか。」


完全に気配を消していた分尚更バツが悪そうに、視線を外しながらカカシはそう言った。



「いえ、気配は完璧分からなかったんですけどね?あこまで挑発すればカカシさんなら絶対、どこかにひそんでるだろうなーと。」


カカシはこの時、イルカの意図することが読めないにしても
どうしてこの男が中忍どまりなのだろう、と。

少々薄ら寒いものを感じた。


しかし、それならまんまとイルカの策略に引っかかったワケで。
覗き見をするような真似をしたことを謝る必要は、これでなくなったということだ。


罪悪感が消えたあとにこみ上げてきたのは、いらつき。



「で?イルカセンセーはなにがしたかったんですか。」



オレに告白シーン見せつけといて、一体この男は何を考えているんだか。
がいる最中も、カカシは焦りと苛立ちを感じていた。


何よりも、に真っ直ぐに

好きだと、
帰って欲しくないと、自分の想いを臆せずに言葉に出来るイルカ先生なら



が隣を選んでしまうのではないかと、怖くなった。




「カカシさん。見ての通り俺はさんに、自分の気持ちを伝えました。」



イルカ先生、それって・・・


「俺はさんの返事がどうであれ、彼女への気持ちはこれから先も変わらないと思います。」

「・・・・イルカ先生。」




「ありきたりだとは思いますけど。好きな人には笑ってて欲しいって、思うじゃないですか。」




さんには幸せになってほしい。
それが出来るのは、


勝手かもしれないけど俺じゃなく

カカシさんだけだと思うから。



今までの、どこかオレを逆なでするような空気をガラリと変えて。
イルカ先生は照れながらも、優しく笑った。


その表情が、どこか苦しそうに見えたのは


オレの気のせいだろうか。

イルカ先生が何を思ってこんなことを仕掛けてきたのかは、はっきりとはわからないまでも。
への気持ちが溢れだしているのはよく分かった。

そんなイルカにカカシの心は、先ほどまでのいらつきは感じていないまでも焦りは以前として根強く残っていた。







一方で、イルカとわかれたは早足で歩いていたため途中で息があがっていることに気がつき、歩調を緩めていた。


「ハァ〜・・・・・。」


びっくりした。

だって、イルカさんが・・・だよ?
私なんかを好きだなんて、


そりゃびっくりもしますって。





『好きなんです、さんが。』





真剣に、見つめる瞳はいつもの爽やかな雰囲気とは違って
男の人独特のかっこよさというか、パリっとした潔さみたいなものがあった。


・・・・・でも、イルカさんめちゃくちゃかっこよかったかも///
なっ?!なに考えてんのよ、私ったら・・・(汗


そりゃーだって、あんなにはっきりと好きです。なんて言われたら女の子なら誰だってドキッとしちゃうでしょ〜〜。



うぅ、でも・・・返事って。

・・・・付き合うかどうか、とか?

私が?イルカさんと?


・・・・・ナイナイナイ!!!だってイルカさんだよ?!私なんかが?

それに、私は。

私、・・・・



その時、不意にの頭にカカシの姿がチラついた。


なんでカカシさんが出てくるのよ!!
って、しかも私この世界の人間じゃないし・・・・。


うん、やっぱりそうだよ。
好きとか嫌いとかの問題以前に、





私はこの世界の人間じゃない。






あれこれと、歩きながら百面相をしているに声をかけた人物がいた。


じゃねーか。」

「へっ?」

名前を呼ばれて、顔を上げた先には見知った顔。



「ゲンマさん!」



は、少し離れたところにいるゲンマに思わず駆け寄った。

「よ!久しぶりだな。つーかお前に会うのっていつも久しぶりじゃねーか?」

「あはは、お久しぶりです〜って前も言ってましたね。お元気でした?」

「おぉ、元気元気。・・・・お前も元気だったかよ?」

「はい。こないだちょっと風邪ひきましたけど、今はもうすっかり元気ですよー。」

目の前にいるゲンマの顔を見上げながらえへへ、とは笑った。


そんなの頭をくしゃ、っとなでて。


「なーにが元気だよ。俺が声かけるまで泣きそうな顔してたくせによー。」


え、・・・私そんな顔してました?


「まぁ、ちょうどいい。久しぶりに会ったんだし、お前ちょっとこっちこい。」
ゲンマはが返事をする前に、腕をとってその辺の木の陰まで引っ張っていった。



「ん、ここ座れよ。」

「・・・はい。」
はカカシが家で待っていると思うと、はやく帰らねばならないような気もしたが
イルカとの別れ際のあの言い草が、少し心に引っかかっていた。



『オレのことは気にしなくていいから、・・・イルカ先生とごゆっくり。』


の気のせいかもしれないが、少し冷たいカカシの視線が痛かったようなそうでもないような。
背中が、別にオレには関係ないから勝手にしろ。と言っていたような・・・そうでもないような。


あーもうなんか、訳わかんない。


ごちゃごちゃする頭に、は泣きそうになった。



「オーイ、。・・・お前、俺が隣に居るの忘れてんだろ。」



1人落ち込むの頬っぺたをツンツン、と突きながら放って置かれたゲンマは拗ねるような仕草をみせた。

「え?あ、・・・すみません。」




「で?お前はさっきから何をぐちゃぐちゃと考えてんだ?」



ゲンマさんは、口にくわえていた棒を手でくるくると持て余しながら私の顔を覗き込んでそう尋ねてきた。

うーん、う〜〜〜ん。なんて言おうかな。
ゲンマさんは私が異世界の人間だって、知らないはずだし・・・。

が再び悶々とし始めたのを見かねて、ゲンマは多少荒っぽいが言葉をかけた。


「あー?お前1人で悩んでてもしゃーねぇだろ。話だけでも聞いてやっからさ、ほれ。言ってみ?」



そ、そうよね。
話聞いてもらうだけでも、なにか違うかもしれないし。

は、スッと息を吸ってちょっと考えてから話始めた。


「えっと、私・・・さっき、その〜告白というのをされて・・・ですね。」



・・・・・あぁ?!

ゲンマは思いも寄らないの話に、手にある長楊枝を落しそうになった。

・・・・・カカシさん、ついにこいつに告ったんか?


「で、・・・なんていうか。私そういうのあんまり慣れてなくて。そもそも、こっちの生活に慣れるのにいっぱいいっぱいで。
 誰かを好きとかも、・・・考えたこともなかったといいますか。」


「あぁ、そっか。お前、こっちに引っ越してきたんだっけ?」

「はい、春先に。」

あー・・・・それで、恋愛沙汰に鈍くなってたんだな。
まぁ、こいつの場合元々が天然っつーのもあんだろうけど。


「んで?」

「で・・・その、どうしたらいいかわかんなくて。そもそもその人のこと、そういう風に見たことなかったですし・・・。」

最後の方は、どんどん尻すぼみしていって聞き取るのがやっとだった。

ゲンマは、少し迷って。

それでも愛おしそうにを見つめてから、口をひらいた。


「わかんねぇじゃねーよ。そんなもん、自分と向き合うしかねーだろ。」

「ゲンマ、さん・・・?」




「逃げんな、目をそらすな。お前はよー誰のそばにいたい?考えると胸が熱くなるのは誰だ?誰かを選ぶっつーのはよ、誰かを選ばないってことだ。」



「あ、・・・。」

言葉がうまく発せなくなったは、そのまま黙ってゲンマを見つめていた。



「ま、が誰かを好きだって前提の話だけどなー?」


私が、・・・。


誰かを好き?


やっと恋愛に頭が回るようになったかよ。
つーか、こいつがカカシさんを好きなことなんて見てりゃすぐにわかることなんだけどなぁ?

いー加減、気づけ。バカ。


「ゲンマさん。」

「なんだ?」


「私が誰かを好きなように見えますか?」

「まー見えるっちゃ、見える・・・かな?」



そ、そんな難しいこと言われても・・・。



「まぁ、別にお前の重荷になろうと思ってる訳じゃねーんだけどよ。この状況で言わずにいれねぇっつーか。」


「え?」





「俺は、お前が好きだ。」




は、状況がつかめずにいた。

ゲンマさんが、・・・・・私を好き?



ポカン、と。

それこそ目をいっぱいに見開いて、はゲンマを見つめている。

「だーから、んな顔すんなっつーの。俺の事は気にすんな、別にお前とどうこうなりてぇって訳でもねぇからな。」

「そ、そうなんですか?」

「おうよ。まぁ、今日お前に告ったのが誰かは知らんが候補のうちの1人にでも入れといてくれ。」


・・・・えっと、さっきと言ってることが違うような気がするんですけど(汗)


うつむいてしまったの頭に手をのせて、ゲンマはそのままくしゃくしゃと頭をなでた。



「ま、候補うんぬんっつーのは冗談にして。俺は別によ、好きな奴にはやっぱ幸せになって欲しいんだよ。例えその相手が俺以外の奴でもな。」



「・・・・そんなかっこいいこと言っちゃっていいんですか?」

「そりゃーお前、惚れた女が困ってたら手ェ差し伸べてやんのが男だろ。」

「それがゲンマさんじゃない方の事でも?」




「当たり前だ。」




本当なら、好きな相手とは結ばれたいと思うのが普通だと思う。

恋愛に疎いにも、そんな当たり前のことはわかっていた。
しかし、目の前のゲンマは嘘を言っているようには見えず


自分の気持ちを抑えてでも心の底から、私の幸せを願ってくれているようだった。


そんな、だって。

私そんな風に思ってもらえるような人間じゃないのに。



泣きそうになったけど。
でも、ここは私のことを想ってそう言ってくれているゲンマさんを困らせてしまうだけだと思って

必死にツン、とする鼻の奥の感覚をおさえて。


私は、笑った。


、やっぱお前そうやって笑ってる顔が1番可愛いな。」


「う、///」

「照れんな、照れんなー。」

「照れますよ!!そんなの、普通に考えてゲンマさんみたいなカッコイイ人に告白されたら照れます!!」


「お?なに、お前俺のことカッコイイとか言ってくれるわけ?」

にやにやと、意地悪そうな笑みを浮かべてゲンマさんは私に少し近寄ってきた。



「ち、近いです///!!!」


私はうまい回避の仕方なんて、出来っこなくて。
真っ赤になりながらも、ゲンマさんの肩をぐいぐいと押すしかなかった。


「ははは、わりーわりぃ。まぁ、俺がとやかく言っても最終的に決めるのは自身だからな。ツラいだろーが頑張れよ。」


いつのまにか、うじうじしていた心はすっかり晴れていた。
それもこれもゲンマさんのお陰だと思うと、ありがたくて。


何度お礼を言っても、足りない気がした。


「・・・ありがとうございます。」

「あ?イイってことよ。まぁ、なんか困ったことがあったらいつでも頼ってこい。のためなら、力になってやるよ。」


「ゲンマさんて、」

「ん?」



「おにいちゃんみたいですね。」


・・・・おにいちゃん、かぁ。

それって完全に恋人対象から外れてんじゃねーか、とつっこみたくなる気持ちは抑えて。



まぁ、こいつのおにいちゃんっつーのも悪くねーか。



「ゲンマお兄ちゃんvvって呼んでもいいぞ。」

「呼びません。」

「なんでだよ?」


「ははは、でも頼りになるおにいちゃんって感じです。すみません、なんだか色々と。」

「あやまんな、別に悪いことしてる訳じゃないだろ。」

「それは、・・・そうですけど。」


「私こーんなカッコイイ男にまで言い寄られちゃって、イイ女なんですぅ〜って胸はってりゃいいだろ。」


ゲンマさんのその、言い草がおかしくって。
やっぱり、私はケタケタと笑ってしまった。

「あ、」

「んーどうした?」


「あの、思ったんですけど私の事を・・・その、好き・・・だって言ってくれたゲンマさんに誰かに告白されたなんて相談して、
私無神経にも程がありますよね・・・。」

気づいたらなんかまた落ち込んできた・・・・。


「あーまぁ、俺がお前を好きだって言えたのも半分はそのお陰でもあるよーなもんだしな。気にすんな。」

「・・・・いいんですか?」



「その分お前が幸せになりゃいーんじゃねーの?」



そう言ってゲンマさんはにかっ、と笑ってくれた。





その後、ゲンマと別れは家路を急いだ。



・・・・そういえば、ゲンマさんは私が誰に告白されたと思ってるんだろう?





そうこうしているうちに、家についたはあれから結構遅くなってしまったことに気がついた。

ちょっと、カカシさんに会うの気まずい・・・な。


重たい気持ちをなんとか、奮い立たせては玄関の扉をあけた。

「ただいま、・・・です。」

リビングに、1人ソファーに座りいつもの本を読んでいるカカシさんが見える。



「あぁ、おかえり。」

反応はずいぶんとそっけない。


「すみません、遅くなってしまって。すぐにご飯の支度しますので。」

「ずいぶんとかかってたね。」

イルカと別れたカカシは、まもなくが帰ってくるものだと思って家で待っていた。
しかし、どれだけ待ってもいっこうに帰ってこないにもやもやとした、行き場のない気持ちを抱えていた。


「あの、途中でゲンマさんにお会いして・・・ちょっと話をしていたので。それで。」



・・・・ゲンマ?

ゲンマに会ってたの?


の発言に


己の心が、再びどす黒く塗りつぶされていく。


「へぇー、ゲンマに会ってたんだ。」

パタン、と手元の本を閉じて立ったままのに近づいた。



「で?ゲンマともイチャイチャしてたの?」



「え?」

「イルカセンセーにゲンマに。サンも忙しいねェー。」

カカシとしては、まったく自分の気持ちに気づいてくれないにちょっとした意地悪のつもりで言っただけのことだった。


それなのに。


「・・・どうして、そんなこと言うんですか。」


下を向いているが、今どんな顔をしているかはわからない。
ただ、ぎゅっと服を握り締めたそのこぶしに。

見えない表情がそこにありありと見て取れた。


「ちょ、待って。」

「なんです?」


「え?ねぇ、なに怒ってんの?」

「怒ってるのはカカシさんの方でしょう?どうしてイルカさんやゲンマさんの事をそんな風に言うんですか?同じ仲間なんですよね。」


この時のオレはどうかしてた。
イルカ先生に告白されてるとこを見て、ゲンマに相変わらず言い寄られてたんだろうと勝手に想像して。

イラついてたのを隠せなかったんだけど。



でも、なんでもっと冷静に話が出来なかったのかって今では死ぬほど後悔してる。



。」



思わず鋭くそう言ったオレにビクッ、と怯える


その姿に、・・・・どうしようもなくオレはまたイラついた。


を誰にも、渡したくない。



泣くのも、笑うのも、怒るのも悩むのも。
オレのそばでだけにして欲しいんだ。


本当はちゃんと、気持ちを言葉にしたいのに。
焦ってばかりでちっとも冷静になれないオレは、

どうしてか気がつけばを傷つけるようなことばかりを、言っていた。




はイルカ先生が好きなの?それともゲンマ?よかったね、どっちかを選べばもうオレとも暮らさずに済むよ。」



カカシのその言葉には両の目を力いっぱい見開いた。

「どうして、」


「どうして?だってそうでしょ。じゃあなんでオレと微妙に距離置くわけ?気づいてないとでも思った?」

「それは・・・・。」


「それは、なに?オレに言えないこと?」

下を向いたまま黙る

「ハァー。・・・・あの時からでしょ。」

「え?」


顔をあげたの瞳は不安定に揺れている。


違う、



そんな顔させたいわけじゃない。



「オレがキスしたから?」


「あ、」


なんで、顔そらすわけ?やっぱヤだったの?


「イヤなら嫌って・・・あーそっか。はイヤってちゃんと言えない子だっけ。」
カカシはゲンマにキスされそうになった時を思い出してさらにイライラとした。

今にも泣きそうには顔を歪めている。



もう、いい。


ごめん。


それ以上のそんな顔、見たくない。

そうさせてるオレなんてもっと見たくないんだよ。

「カカシさん、ちが・・・」





「じゃあなんでッ、・・・なんではあの時のことを無かったみたいにするんだ!!」




カカシは、溢れる気持ちを抑えきれずにの腕を無理矢理引き寄せてキスをした。


「んっ・・・?!!」



臆病な気持ちをひた隠しにして。

からかっているフリをした。


返ってくる反応が嬉しくて。
ひとつひとつに、舞い上がって。


キミが少しはオレと同じ気持ちかもしれないなんて、半分以上は期待だったけど。



だから無かったことになんて出来るわけがないのに。



離れようとするの頭をもう片方の手で押さえながら。

すがるように、カカシはその唇を求め続けた。



「っ・・・・イヤ!!!」


パシンッ、と。

渇いた音がリビングに広がり、遅れてくる頬の痛みにカカシははじめて自分が叩かれたのだと気づいた。


は、荒っぽい突然のカカシのキスに息を切らせながらも両目の涙をついに瞳の淵からこぼしながら、そのまま言葉を失っていた。


「あ、」


そんなの様子はカカシを冷静にさせるには十分で。



しかし、慌て謝罪の言葉を口にしようとしたカカシを一羽の鳥が遮る。

「くそっ。」


なんでこんな時に。



コンコン、と窓を叩く小鳥に罪はない。




「・・・行って下さい。」


「でも。」

「カカシさん、貴方は木の葉の忍でしょう?」





「私のことはいいですから。・・・・任務、行って下さい。」


違うよ。


「わかった。取り敢えず、ごめん。頭冷やしてくるから、帰ってきたらきちんともっかい話そう?」

カカシのその言葉に曖昧に笑う



?」

「カカシさん、お気をつけて。」

尚も後ろ髪ひかれるカカシを、ははっきりとした言葉で背中を押した。


「あ、うん。・・・・いってくる。」

オレは忍の前に1人の男なんだよ。




がスキでしかたない、


ただの男なんだ。



急いで、口布を引き上げてカカシさんは窓から火影様のもとへと向かっていった。


そよそよと、舞い込む風には窓を閉めようと窓枠に手をかける。



「私、・・・・わたし。」



あの日から、ずっと見てみぬフリをしてきた気持ちの正体がようやくわかった。

あの時のキスも。
今日の無理矢理のキスが、こんなに悲しい訳も。


イルカさんの告白も、ゲンマさんの告白の時も。

嬉しかったけど、それ以上にカカシさんの事が気になってしまった理由がやっとはっきりした。


『お前はよー誰のそばにいたい?考えると胸が熱くなるのは誰だ?誰かを選ぶっつーのはよ、誰かを選ばないってことだ。』


ゲンマさん、ごめんなさい。・・・やっとわかりました。

いつも皆が優しいのをいいことに。
その気持ちを踏みにじってはっきりとしないまま自分がただずっと甘えていたことに、今さらながら気がついて。

情けなさが、つのった。



「ふっ・・・・う、・・・・」



それでもは次から次へとあふれ出る涙と一緒にはっきりとした気持ちをこらえきれずに、両手で顔を覆いながらその場に崩れ落ちた。




「・・・・カカシさんが、好き。」




こんな形で、カカシさんを傷つけて。

もう遅いかもしれないけど、


好きです、カカシさん。












さぁさ、本格的に2人の恋が動きだしました。
ってかカカシ先生とさんに好きと言わせるために、どんだけかかってんだ・・・(汗

イルカセンセーとゲンマさんに告白されたのに、ウハウハできないってツライですね。すみません(汗
ワタクシ的に、イルカ先生は親友。ゲンマさんとヤマト隊長はお兄ちゃん。カカシ先生は恋人認識です。

もちろん嫁は奈良さん家のシカマル〜〜〜〜vvvvv
あ、いやカカシ先生は恋人でずっとイチャイチャしてたいといいますか。
ってか、カカシ先生との恋はハラハラしてそうなので結婚ならシカマルかなーと。


とりあえず11月中に連載をもう1本アップできて万々歳です。
わーなんだかシリアス入ってますが、こっからが正念場です。

ちゃんと、・・・ちゃんと最後にはイチャイチャしていただきますんで、どうか今後の展開を見守ってくださいませ〜


ラスト、・・・・(多分)3話〜〜!!!